製造業の工程管理と在庫管理を手作業中心で運用しており、リアルタイムに各工程の見える化を始めたい。
またはQRコード等のバーコードで運用しているが更に作業効率を向上したい等の現場改善をお考えの現場担当者様に「RFIDを活用した工程管理システム」をご提案。
ご案内する導入例が自社工程管理や製造品と類似している場合は、ご紹介する仕組みをそのまま導入も可能ですし、合致しない場合は自社工程に適した部分のみシステム導入も可能です。
実際にRFID工程管理システムを導入して、既存の作業時間を大幅に改善した運用事例をご紹介したいと思います。
この記事の目次
・作業時間を大幅に改善したRFID工程管理の仕組み
・全製造工程に導入したRFID設備の概要
加工品にRFIDタグ(ICタグ)の発行と取り付け
仕掛品の工程完了や工程間の移動を把握
ハンディ&設備にRFID読み取り機を設置し読み取り
完成品の梱包と倉庫入庫もRFIDで手間いらず
作業時間を大幅に改善したRFID工程管理の仕組み
弊社お客様のシステム要望の対象範囲は、「製造開始」から製造検品後の「製品倉庫の入庫」まで。製造中の仕掛品と完成した製品の個体管理の実現でした。
製造中の仕掛品にRFIDを取り付け、各工程の通過時にRFIDを読み込むための各種設備機器をご提案。
まず現場環境を確認し設備機器を使いRFIDの読み取り等の実地テストで現場検証。各工程に合った読み取り機器を工場内に設置しRFID工程管理システムを稼働することとなりました。
またお客様は個体管理を実現することで「工程作業の見える化」「完成品の在庫管理」「棚卸しの作業効率化」が大きな目的でしたが、実際の数値としては以下のような効果が見込まれました。
・全体の棚卸し作業の250時間が6時間へ短縮。41倍を想定。
・工程Aの在庫確認の作業が15時間から5時間に。3倍を想定。
・工程Bの仕掛品の調査時間が10時間から0.2時間に。50倍を想定。
・工程Cの手入力作業の時間が2時間から0時間に。
・梱包の配送ミスが年2回から年0回に。
全製造工程に導入したRFID設備の概要
加工品にRFIDタグ(ICタグ)の発行と取り付け
個体の工程管理を実現するため、まずは工程開始前にRIFDタグの発行と加工前の仕掛品に取り付けを実施します。
タグ情報には「シリアル番号」や「製品コード」、「製造日付」などお客様が必要とする管理情報を書き込んでRFIDタグを発行。発行したタグを仕掛品に貼り付けます。
RFIDタグを取り付けることで、各工程に設置した「ゲート」や「マット」、「リーダー」、「専用ハンディターミナル」などのRFIDタグを読み込む機器で個体情報の識別管理が可能となります。
仕掛品の工程完了や工程間の移動を把握
RFIDを読み込む「マットタイプのアンテナ」を設備機器の地面部分に設置し工程の加工後にRFIDを読み込む。
または一次工程が完了し二次工程のエリアへ仕掛品を移動する時に工程間に設置した「ゲートタイプのアンテナ」を通過することで、RFIDタグを取り付けた仕掛品の個体情報を認識し工程の進捗管理を実現します。
ハンディ&設備にRFID読み取り機を設置し読み取り
仕掛品を複数ラインで再加工する場合は、各ライン情報と仕掛品の個体情報を紐付ける運用もあります。
ただし各ラインの敷地面積の関係や工程で純水の取り扱いがあり配線工事が難しい環境では、場所を取らない「RFID専用ハンディターミナル」で各ラインと個体情報を紐付け管理。
また設備機器で加工した仕掛品が自動で流れてくる場合は、設備機器の出口付近に「RFIDリーダー」を治具で取り付け仕掛品の個体情報を読み取るなど、設備機器の環境に合わせて読み取り機を設置することが可能です。
「専用ハンディターミナル」は、ゲートなどの設備に比べて手軽に持ち運びができる点と場所を取らない点がポイント。お客様の物量や運用状況によりますが、現場環境に合わせてハンディを選択すると機動力のある工程管理が可能となります。
完成品の梱包と倉庫入庫もRFIDで手間いらず
完成した製品は梱包作業を終えて完成品倉庫へ入庫しますが、梱包作業場のベルトコンベアーにRFID読み取り機を設置し、自動的に梱包数を読み取り管理。
QRコードの場合はスキャナーと製品に貼ったQRコードの位置や向きを調整する煩わしさがありますが、RFIDは電波があたる範囲が読み取り対象となるため、位置や向きの調整など煩わしい作業を省略し少ない工数で梱包作業の数量管理が可能となります。
また梱包製品は製品倉庫の入庫口に設置した「ゲートアンテナ」を通過することで、完成品の入庫数量を一括してまとめて読み。工程情報と入庫情報としてシステムに保存します。
製品倉庫に入庫された製品は「ハンディターミナル」で棚卸しを行い、QRコードスキャンでの棚卸しに比べて、500時間から12時間と大幅な時間短縮とコスト削減が可能となりました。
如何でしたか?
全行程に対してRFIDを用いた工程管理の実例紹介でしたが、工程の途中からRFIDを取り付けて部分的に工程管理の時間削減を実現したい。
または完成後の製品にRFIDタグを取り付けて、梱包数量や製品入庫と棚卸しを中心に時間削減を始めたい等、お客様の管理用途に合わせてシステム導入が可能です。
何処から工程管理の省人化や作業時間の効率化を始めていいかお悩みの現場責任者様、ケーウェイズまで一度お問い合わせください。RFIDを活用した現場カイゼンのプロがシステム提案いたします。