山形県南陽市。山形県の南東にあり山形市より車で35分ほどに位置する人口3万人の市。赤湯温泉や鶴の恩返しの民話が伝わる里として知られています。
今回は南陽市に拠点を構えTBS系列「がっちりマンデー」で国内生産の強みを生かした企業として取り上げられた「ナカノアパレル」様へ訪問し、弊社「物品管理アプリB-Touch」の導入の背景や今後の展望について、山形本社工場 副工場長 I様、経営企画室山形担当兼生産管理 T様、M様にインタビューしてきました。
この記事の目次
・アプリ導入のキッカケはミシンの位置管理から
・B-Touchを実際に操作しての感想
・管理対象を広げたい!ナカノアパレル様が考える将来の展望像
・人材を第一に考えるナカノアパレル様の取り組み
・お客様データ:株式会社ナカノアパレル
アプリ導入のキッカケはミシンの位置管理から
今回はB-Touch導入ならびにインタビューのお時間ありがとうございます。
いえいえ、コチラこそよろしくお願いいたします。
まず始めに今回弊社「B-Touch」を導入するに至った経緯をご紹介いただけますか?
元々は全く違うアプローチでミシン管理を考えていました。実はGPSを使ったミシンの位置を把握する仕組みを検討していました。
建屋の1階と2階でミシンを利用するのですが、調べるとGPSでの探知は1階と2階の位置情報が重なってしまい、建屋のどの位置にミシンがあるかが分からない事が判明しました。
他のアプローチでミシンの管理が出来ないかを改めて検討していたタイミングで「B-Touch」のご紹介を頂きました。
今回「B-Touch」と「RFID」を用いて管理対象となった「ミシン」と「残生地」ですが、アプリ導入前はどのような管理面のご苦労があったのでしょうか?
「ミシン」の場合は、生産ラインに全てのミシンが配置されている訳ではなく、多くのミシンを倉庫で保管しています。
製造する品番に応じて必要な機種のミシンを手配、または同じロットのミシンでも個体差があるので製造したい品番に仕様が合致している調整済のミシンを準備します。
この際に生産ラインにない場合は倉庫から探し出して出庫する必要があります。
同じロットでもミシンの個体差があるんですね?
そうなんですよ。癖があるといいますか。この個体差のあるミシンの設定済の仕様情報を一台ずつ把握する事が、今まで非常に面倒だったのです。もちろんミシンの調整で仕様変更が可能なんですが、調整に1時間ちかくかかる場合や、癖がネックになっていくら頑張って時間をかけて調整をしたけど思い通りにいかない場合もあるんです。
それなら過去に調整したミシンを倉庫やラインから探し出す方が早いんですが、倉庫の何処に置いたのか、個人個人の頭の中の記憶を頼りに探すので、確かあの辺だったはずと探しに行くと実際は他のラインに持ち出して倉庫に無かったとか。
このミシンしか準備できないなと思っていたら、他にも仕様調整済のミシンがあったとか、統一して管理する仕組みが無かったので仕様の把握が困難でした。
なかなか大変そうですね。生産ラインで利用するミシンの入れ替えはシーズン事に行われるのでしょうか?
多品種小ロットの製造が中心のため製造する品番は短い場合は1日、長くても1週間ほどで終了します。そのため品番の変更の都度、ミシンの入れ替えが発生します。毎回品番とミシンの仕様を確認しミシンを探して生産ラインにセッティングという流れです。
セッティングの頻度も高く、探せない場合は仕様調整の時間も必要になる訳ですね。
そうなんです。今までの管理状況だと結構その辺の効率化がなかなか難しいんです。
「残生地」は製造後に余った生地を200ロールほど在庫保管しています。メーカー様の要望で1年間の保管が必要な生地もあり、倉庫の何処に生地を置いたかスタッフ同士での共有が必要でした。
また生地を置いた人以外でも簡単に探し出せる運用が理想でした。生地の性質上、直射日光の当たらない場所で保管していて日中に電灯を付けても少し暗いため、生地に貼り付けているラベル情報を目視で確認しながら探し当てるのが意外と手間でした。
実際に拝見しましたが、生地の数も多く確かに確認作業が大変そうですね。
B-Touchを実際に操作しての感想
現状の運用状況を元に「B-Touch」を導入して頂きましたが、実際に操作してみて如何でしょうか?
「B-Touch」でミシンの探索が出来る点とパソコン側の履歴情報の検索機能でミシン位置の把握と仕様済のミシン設定情報が参照できる点はメリットが非常に大きいです。
作業効率、段取りが早く対応できるし、売上にも貢献できそう。
調整に1時間かかっても癖によって無駄な調整かも知れない恐れも高く、始めから調整できないのが分かれば、ずーっと調整する無駄が省かれるので、その時間を換算していくと生産効率がかなり高くなりそうです。
ライン変更時は製造以外のスタッフ日中に速やかに変更、別ラインを設けて対応しているので「B-Touch」利用後は、この辺の段取り作業が効率化できるかもと期待しています。
今回は運用の状況を伺って設定値や設定箇所の写真を登録、過去の履歴情報から設定値を検索する機能を設け、B-Touchの基本機能に一部のカスタマイズ対応をさせて頂きました。
頻度の多い入れ替えと仕様の設定作業が大きく改善できそうですね。比較運用が終わったらまたインタビューをお願いいたします。
はい。それに実際に操作してアプリに表示したい言葉の変更も希望しているのですが、表示する言葉の変更は無償と聞いて安心しています。
そうですね。文字程度の変更であればWEB会議で完結しますので状況にもよりますが基本無償で対応いたします。「残生地」の管理に関する操作はどうでしたでしょうか。
「残生地」に光るLEDタグを取り付けましたが、機械(ハンディターミナル)が音を出しながら距離をお知らせしてくれる探索機能と、ピカッとLEDが光るのがスゴく嬉しいです。
光るLEDタグ、どうですか?
とってもいいです(笑)光るのでとても分かり易いです。
ご提案して良かったです。
管理対象を広げたい!ナカノアパレル様が考える将来の展望像
現在は「ミシン」「残生地」と管理アイテムを絞って運用いただいていますが、今後は「B-Touch」を使って、どのような管理に取り組みたいと思われていますか?
アタッチメント管理に使えるかも知れないと話し合っています。ミシンに付ける「押さえ」、布の折り曲げに使う「ラッパ」が沢山あるのですが、使い終わった後に何処に置いたか、貸出管理ができるかも。
所在が分からなくなって、使いたいなと思った時に限って見つからないんですよ。
金属対応のRFIDもありミシン管理と同じように管理は可能かと思いますが、「押さえ」や「ラッパ」の形状、サイズを確認する必要がありそうです。
サイズが小さいため取付面が限られそうです。
取り付け後に運用時に邪魔にならないか等、検討段階に入ったら弊社よりアドバイスしますのでご相談ください。
なるほど、分かりました。またその時はお願いします。
今回は貴重なお時間ありがとうございました。今後とも「B-Touch」のご利用、よろしくお願いします。
今回は遠い所までありがとうございました。こちらこそ引き続きよろしくお願いします。
人材と環境を考えるナカノアパレル様の取り組み
インタビューを終えて
今回、実際に工場見学をして分かったのは工場内にある保育園「みんなのみらい保育園」の存在や工場一丸となって実施している持続可能な社会への取り組みでした。
働く女性に優しい環境作り
高い技術力が評価され世界的なブランド品の製造を請け負うナカノアパレル様ですが、製品製造のキーとなるのは安定して働く人材の確保との事。
製品製造の中心となるスタッフの多くは女性。女性が働きやすい環境作りの取り組みとして、工場内の一角に保育園の運営に踏み切ったそうです。
インタビュー中に園のお話を伺いましたが、近所の園よりリーズナブルな上、洗濯物を持っていく手間も不要。少しだけ残業したい時も工場内のためすぐに迎えに行け、19時まで開園しているので心強いと好評でした。
裁断くずが製品として生まれ変わる
商品製造で利用する生地は裁断の過程で毎月「裁断くず」が4トン発生していました。
今まで「裁断くず」は、業者に廃棄物として費用を支払い引き取ってもらっていたそうですが、山形市内の防水メーカーと連携し、裁断くずを使った防水シートを製造するプロジェクトを発足させています。
リサイクル循環が生まれ、廃棄コストがゼロに。防水メーカーは今まで古着を利用して製造しており、ボタンやファスナーなど付属品を取り除く手間があったそうですが、「裁断くず」に切り替えて作業の手間が無くなったそうで、お互いがウィン・ウィンの共存関係の取り組みとの事でした。
南陽市は人口が少ない市かも知れませんが、今回伺ったような会社ぐるみの取り組みが国内生産で強みを持つポイントなのかも知れません。弊社「B-Touch」がナカノアパレル様の現場改善を進めるツールとなればと思っています。
お客様データ:株式会社ナカノアパレル
株式会社ナカノアパレル(取材先:山形本社工場)
WEB:http://nakano-apparel.co.jp/
スタッフ数:企業全体 94名(うち山形本社工場:74名)
資本金:1,600万円
設立年:1988年
拠点:東京、山形、中国、ベトナム
主要販売先:株式会社オンワード樫山、株式会社エレメントルール、株式会社ベイクルーズ、イトキン株式会社、株式会社ジュン
※ナカノアパレル様の公式サイトより抜粋
さいごに
如何でしたか?今回は実際に弊社物品管理アプリ「B-Touch」を導入したお客様のアプリ選定から実際に導入した経緯までの生の声をインタビュー形式でお届けしました。
現在は利用を開始していただき、システム導入前と導入後の評価運用の段階に入っています。
導入前後の改善情報は改めて別インタビューをさせて頂く事となっています。
自社でもナカノアパレル様のような物品管理を始めたい。そう思われた企業様、実際にB-Touchを操作して雰囲気を確認する事も可能です。
一度ケーウェイズまでお気軽にお問い合わせください。