インフラ工事で利用するケーブル類は「ケーブル用梱包ドラム」で巻き取られ広い敷地で保管されるのですが、大きいものは直径1.8m、幅1.2m程になり、仮に100個のドラムを平置きすると216㎡の面積が必要です。

フォークリフトが移動できる空間を考慮し直径2.5m、幅1.8mで換算すると450㎡の面積が必要となる計算ですが、この面積はバスケットコート1面(420㎡)の大きさ程となり数多くのドラムを保管するには広大な敷地での管理が必要となります。

そこで今回は「ICチップ」を使った梱包ドラムの位置管理システムをご紹介したいと思います。

1.保管位置が分からない。システム導入前の運用管理

システム導入前は広大な敷地に大型ドラムを置くだけ。ドラムを置いた位置情報は手書き管理である程度の把握はしていましたが、全ドラム情報の位置管理は明確ではありませんでした。

そのためピッキング作業は、ある程度のドラム位置の目星をつけてフォークリフトで移動して周辺を探す運用だったため、思っていた位置にドラムが置かれていない場合は、周辺を探し回る非効率な運用方法となっていました。

また棚卸は月に一度は実施していましたが、敷地を周り一点一点ドラムに貼られた品番情報を確認し、手書きでドラムの品番と位置情報を記入。

事務所に戻って手書き情報をExcelに再度入力して棚卸情報としていましたが、日々の運用ではドラムの出し入れ情報はリアルタイムに位置情報として反映されないため、ドラムの動きが分からず位置把握が不明確となりドラム探しに影響が生じていました。
電線ドラム位置管理の問題点

2.ICタグで位置情報とドラム情報が一目瞭然

今回導入したシステムではドラム自体に個体認識用のICタグ(RFID)と呼ばれる電波を飛ばすラベルを貼り付け、各保管位置にもロケーション情報(番地情報)を保存したICタグを設置。

フォークリフトで運搬して敷地に保管する際にロケーション情報のICタグを読み込み、次にドラムに貼り付けた個体認識用のICタグを読み込み保存します。この一連の運用で「どのドラムがどの場所に置かれたか」をシステム内で把握します。
ICタグドラム位置運用イメージ

出荷する場合も事前に出荷したいドラム情報をシステム内で検索。保存された位置情報がシステム内でアナウンスされるので、フォークリフト運転手は指定された位置情報を元にピッキング作業を行います。

3.広い敷地の位置が手に取るように分かる!位置管理システムのメリット

システム運用を始めてから全てのドラムが敷地の「どの位置」に保管されているか一目瞭然となりました。今までは広い敷地内を探し回り、想定していた保管位置と違う場所で保管されていると見つけ出すのが困難でしたが、位置情報が明確になり見つけ出すのが簡単になりました。

ドラムを探し出すためにはシステム画面で検索を行い、個体の位置特定をして保管場所へ移動すればよいため、探し回る時間が大幅に短縮され積載作業がスピードアップしました。

システムを利用すると「必要なドラム」を「ピンポイントで見つけ出してピッキング」することができるのですが、なんだか「上空から獲物を狙う鷹のよう」な感じで的確に作業が行えています。

また棚卸はドラムが大きくてもICタグの電波を読み取るので、一点一点のドラムの個体把握が早く行え棚卸スピードが飛躍的に改善されました。
ICタグ電線位置管理システムメリット紹介

ICタグは「アパレル品のタグ」など私たちの生活の身近な所から、このような設備の位置管理など多岐に渡る分野で活用されています。

今回ご紹介した位置管理システムはドラム以外にも「電信柱」「原紙ロール」「パレット」など広大な敷地内で個体の位置把握が難しいとお悩みの業界での導入も可能です。ご興味があるお客様は相談いただければ、ICタグのプロが皆様のお悩みを解決いたします。

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