「食の安全」が叫ばれる昨今、セントラルチッキン等の工場で製造される食品の管理方法は年々厳しくなっており、安全基準を守るために「HACCP(ハサップ)」と呼ばれる世界基準を導入する動きが広がっています。
ここではHACCPの簡単な説明と、HACCPの重要管理項目でもある「熱処理」の記録保存に便利な「ハンディーターミナルとデジタル温度計」を利用した運用方法をご紹介したいと思います。
1.私たちの食の安全を守るHACCP(ハサップ)とは
厚生労働省WEBサイト内でHACCP(ハサップ)についての紹介と管理例によると、HACCPの概念は「食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようする衛生管理の手法」と紹介されています。
また各工程の管理例として「原材料、調合、充填、密封、熱処理、冷却、包装、出荷」という流れについて各工程の「確認と記録」を実施し特に「熱処理」の部分については「殺菌温度/時間を連続的に監視」を重要管理点として挙げています。
2.デジタル計測を実現するハンディ利用の温度測定の流れとは
重点管理となっている「熱処理」工程ですが、一般的に温度計を対象物に刺して計測し、計測値を紙媒体の管理資料へ記入を行うのですが、弊社ケーウェイズからは「ハンディーターミナルとデジタル温度計」を使った温度管理の運用をご提案しています。
簡単な操作運用の流れは、製造品の情報を入力またはスキャン。スキャンした後に対象物に温度計を刺して温度確認と温度情報を保存します。保存したデータは事務所などの管理用パソコンへデータ転送。転送されたデータは実績データ、トレースデータとして分析などに活用します。
基本的には紙媒体と筆記用具と温度計を使った運用と同じ流れで利用が可能ですが、手書き管理からデジタル管理となり明確で利用価値の高いデータ管理が実施できるのがポイントです。
3.デジタル測定管理を製造工場で導入するポイント
なぜデジタル計測を使った運用を行うのでしょうか?それは「手書き作業の廃止」「明確な数値による計測」「保存データの簡易化」「異物混入リスクを排除」を推進することが目的だからです。
製造中の「製造工程表」にバーコードがある場合、ハンディーターミナルでスキャンし製造中の製品コードや名称などの手入力を省略することが可能です。またバーコードが無くともハンディーターミナルのテンキー入力を活用すれば、数値など手作業記入も不要です。
製造工程表のスキャン後は実際に加工中の食品の温度を計測します。ハンディーターミナルに取り付けられたデジタル温度計を対象食品に刺して計測。パン製造時であれば発酵中の生地の温度、熱を加えている肉の塊の温度、炊きあがったご飯の温度管理などの計測用途が考えられます。計測値はマイナス99.9度から999.9度まで計測対応。デジタル測定で明確な計測が可能となります。
計測された温度情報は事務所でパソコンに転送。転送された温度データは各製品別のHACCP管理としての利用だけではなく、季節の変わり目など工場内の温度が定まらない場合など、品質管理上のデータとしても有効利用が期待できます。手書き後の転記作業も無くなり作業自体も簡易になります。
また製造工程内において温度計や紙、ボールペンなどの筆記用具を使い記録を取る行為は、製造中の加工品に異物混入する恐れがあり、出来る限り工場内への持ち込みを減らす工夫が必要です。そのためハンディーターミナルとデジタル温度計を使った運用は、記入道具を極力少なくし温度管理を実施したい食品の運用では筆記具を使った運用よりも理想的な運用と言えます。
今回ご紹介したハンディーターミナルと温度計を使った運用方法は、専用のデジタル温度計とハンディーターミナル、パソコン専用ソフトを導入するだけで利用が可能なので、非常にコンパクトに運用を開始できシステムとなっています。必要であれば上位システムとの連動の対応も可能です。
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