DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を迎えクラウド環境を利用した業務改善も増加の一途を辿っています。

今回は導入事例は複数拠点に倉庫を構えるお客様の「在庫管理システム」をクラウド環境で一元化し、RFID機器にて現場運用を実現したお客様の事例をご紹介します。

またクラウド環境と本社で稼働する「基幹システム」とデータ連携したシステム運用です。

なお受注調達向けに入庫と出庫の特殊機能を追加開発した導入案件となっています。

DXクラウド在庫システム環境イメージ

DXクラウド在庫システム環境イメージ

クラウド環境導入で倉庫現場管理の煩わしさ削減

お客様の倉庫は複数の拠点があり各倉庫にサーバー環境を構築した場合、サーバールームの準備・維持サポートスタッフの配置・停電時のシャットダウンなど通常運用と緊急対応を考慮する必要がありました。

そのためクラウド環境に在庫管理システムを準備し、各倉庫からアクセスして運用するスタイルを採用。各倉庫ではRFIDに対応したラベルプリンタとハンディターミナル等の機器を利用し在庫管理システムを稼働させました。

サーバー環境構築の課題がクラウド採用で解決され現場運用の煩わしさから開放されました。

また本社には上位システムとして「財務基幹システム」と「受注管理システム」が稼働しており、各倉庫の入庫と出庫データは「財務基幹システム」と連携、「受注管理システム」の受注データは各倉庫と連携しており、荷札など発行情報として利用されています。

RFID在庫管理のお客様向け特殊機能

RFIDのクラウド在庫管理の同梱、分割機能
今回の在庫管理は一般的な入庫や出庫、出荷の機能以外にお客様の運用に必要となる機能も開発導入しています。

導入した機能の中で他社様の運用でも使い勝手の良さそうな機能をご案内いたします。

入庫品の同梱機能

パレットやカーゴに最大積載量より少ない荷姿で入庫される場合もあります。そのまま倉庫に保管することも可能ですが、倉庫全体の保管許容数が少なくなってしまいます。

そのため異なる品番の製品を一つのパレットやカーゴに積載し保管する「同梱管理」をシステムで開発。

システムを利用しない運用でもよくある管理方法の一つですが、システム未使用の場合はどの製品が同梱されたか分からない同梱した各品番の入り数が分からない等の問題を生じます。

システム管理により同梱状態を把握し倉庫の許容数を確保する事が可能です。

入庫品の分割機能

入荷時の荷姿を変えて(荷姿を分割して)入庫する場合があります。

荷姿の分割を行う場合、元々の荷姿の品番や入り数の情報を元に、倉庫内で管理する荷姿単位でシステムに登録して管理します。

RFIDのクラウド在庫管理の荷札&ケースマーク発行機能

入庫品の荷札発行機能

入庫品に対して「荷札」を発行し、どの発注品の対象品なのかを管理します。

「荷札」には受注番号・発注番号・品番・内容量・得意先の情報などが含まれ、受注番号と枝番のQRコードが付与されています。出庫時に仮にRFIDが読めない場合は「荷札」のQRコードを読むことで作業を停止することなくシステム処理を継続できます。

なお「荷札」の発行時に必要となる情報の一部は本社側にある「受注管理システム」の連携データを利用しています。

出庫時のケースマーク印刷

海外向けに出荷する製品には「ケースマーク(荷印) 」の印刷が必要となるため、向け先別に必要な情報を印刷し出荷予定となるパレットやカーゴに貼り付けます。

「ケースマーク(荷印)」にはQRコードも合わせて印字されており、出庫確認時にQRコードを読み込むことで作業負荷軽減に活用。

なお「ケースマーク」の発行時に必要となる情報も「荷札」と同じく本社側のシステムのデータを連携し利用しています。

RFIDのクラウド在庫管理の再梱包(オーバーパック)&無償品機能

オーバーパック機能

出庫作業時に入庫時に同梱処理されたパレットやカーゴより製品をピッキングし、別準備したダンボールへ再梱包(オーバーパック)を実施する際に、ハンディターミナルで「オーバーパック機能」を選択し製品のRFIDを読取り、再梱包として取り扱った製品と実績を保存します。

入庫し出庫した製品がどのような状態で出庫されたか、製品の状態把握状態別の数量管理に活用します。

無償品の入出庫機能

倉庫で保管する製品の一部にはお客様に提供する「無償品 (サンプル品)」が含まれます。

倉庫運用では無償品と有償品の取り扱いは同じですが、財務上は有償品の在庫数量のみが取り扱い対象となります。

そのためハンディを使った在庫管理の運用は無償品・有償品は処理ですが、「無償品」扱いの製品の入庫と出庫は上位システムに連動せず、「有償品」の入庫と出庫のみ上位システムの「財務基幹システム」へデータ連携をさせる仕組みとなっています。

記事のまとめ

いかがでしたか?

今回は受注調達の物流倉庫で利用実績のあるクラウド方型在庫管理システムの機能のご紹介でした。

今使っているシステム環境を見直したい、在庫システムの導入を検討している企業様、お気軽にケーウェイズにご相談ください。

RFIDとQRコードを利用した柔軟なシステム導入を経験豊富なエンジニアがお客様にご提案いたします。

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