弊社ケーウェイズの物品管理アプリ「B-Touch」は、RFIDを活用し対象品の探索や個体情報を管理するアプリとなっています。また対象品に取り付けるRFIDは一般的なRFID以外にLEDが内蔵されたRFIDの利用も可能です。
今回は「B-Touch」と一般的なRFIDとLED内蔵RFIDを導入したアパレル製造業のナカノアパレル様の導入事例をご紹介します。また作業現場でのアプリ操作の撮影もしていますので併せてご確認ください。
お客様の現場運用イメージ
お客様の現場環境は1階と2階にそれぞれ生産ラインを完備。1ラインに10~15台のミシンを配備し1階2階合わせて5ライン(合計50~75台)のミシンが稼働しています。
工場内にはミシンが合計400台あり、3個所のミシン用倉庫で約320台のミシンを保管、残生地は1箇所の倉庫で保管しています。残生地は直射日光に当たると色褪せや光沢の劣化など品質が変化する恐れがあるため、電灯はあるものの比較的暗い倉庫で保管をしています。
ミシンは製造する品番に合わせて1日から1週間単位でレイアウト変更を実施。製造する品番の仕様を確認した上で複数名のスタッフが各フロアの倉庫からミシンを探し出し入れ替えを行います。
残生地はメーカーからの指示があるまで入出庫せず倉庫内で1年程度の保管を行います。
お客様の現場運用の課題
ミシンは品番に合わせて仕様調整を行い製造します。仕様とはアタッチメントやラッパなど補助部品を、製造する衣類のフリルやステッチに合わせてミシンに取り替え、調整を行うことです。
この仕様調整は同じロットのミシンでも個体差によって、1時間近く調整しても対応できない場合があり、既に仕様調整済のミシンを倉庫から探し出す方が良いのですが、3個所ある倉庫の何処に保管したか作業したスタッフしか分からず情報共有が出来ていませんでした。
残生地はそれぞれ製造に関わったスタッフや手の空いたスタッフが倉庫内の空いた棚を見つけて保管。「どの残生地をどの棚のどの場所に保管した」情報の共有は出来ていませんでした。
メーカーの依頼で残生地を倉庫から取り出す際に、異なるメーカーの残生地にも類似する色合いや風合いが多くあり、電灯を点けても倉庫内は明るくないので、指定残生地を探す作業に時間が掛かっていました。
お客様のRFIDタグ運用イメージ
ナカノアパレル様が改善した取り組みは以下です。
RFIDタグとLEDタグの取り付け管理
工場と倉庫で管理しているミシンにRFIDタグを取り付け。パソコン側のアプリ内に各ミシンの個体情報として設定した仕様内容を保存させます。
必要とする仕様のミシン情報をパソコンで参照、必要情報で抽出が出来るため、品番単位で変更となるミシンの準備時にどのミシンを準備するか?を事前に把握し段取り良く設置作業に移れます。
残生地には「LEDタグ」を取り付けて倉庫で保管。LEDタグを採用した理由はLEDタグが光るので探索が行いやすい点、LEDが発光するのに電池不要で、1年間と言う長期間の保管でも耐えうると判断したためです。
またミシンと残生地のRFIDはリユースして使える点も弊社の環境への取り組みとして合致していました。
RFID対応ハンディターミナルで探索
アプリはパソコンとRFID対応ハンディターミナルで操作を行います。
パソコンではミシンの個体情報の検索、条件抽出して参照、マスタ登録、探索したいミシンや残生地のデータ作成で利用します。
ハンディターミナルは探索したいミシンや残生地のデータを取り込み個体情報を選択。歩きながらハンディターミナル本体を上下左右に振り探索を行います。
探索機能はハンディターミナルにソナーのような画面表示、連続音の間隔で対象物との遠近状況をお知らせします。残生地はソナー画面、連続音以外に残生地に取り付けたLEDタグが光るため個体特定を更に行いやすくします。
RFIDと光るLEDタグを活用する「B-Touch」の運用動画
今回お客様の許可を得て導入した物品管理アプリ「B-Touch」の現場での運用状況を動画に納めました。お客様の現場環境、アプリの操作状況などがより詳しく理解できると思いますので興味のある方は動画をご覧ください。
記事のまとめ
記事と動画を通じてアプリのご利用状況がお分かり頂けたのではないでしょうか。
ナカノアパレル様は現場環境の生産効率を上げ循環型社会の取り組みを達成するツールとして「B-Touch」を採用いただきました。次回はお客様の担当者様に導入の経緯、実際に導入しての感想などインタビューしましたので、ご紹介したいと思います。
お客様データ:株式会社ナカノアパレル
取材先:株式会社ナカノアパレル 山形本社工場
WEB:http://nakano-apparel.co.jp/
スタッフ数:企業全体 94名(うち山形本社工場:74名)
資本金:1,600万円
設立年:1988年
拠点:東京、山形、中国、ベトナム
主要販売先:株式会社オンワード樫山、株式会社エレメントルール、株式会社ベイクルーズ、イトキン株式会社、株式会社ジュン
※ナカノアパレル様の公式サイトより抜粋