アパレル物流センターでダンボール詰めされた製品の検品作業。開梱し製品の入り数を確認しますが、「下げ札」にRFIDの導入が進んだお陰で、検品作業が今までの十倍以上の効率化が行えるヒントが眠っているのをご存知でしょうか。

人材確保も難しい中、単純作業は出来る限り機械やシステムを活用し業務改革を進める。実際に導入して成功を収めた一歩先ゆく運用方法を実践する物流センターの入荷と出荷の作業効率化の事例をご紹介します。

「下げ札」にRFIDの導入で始まった倉庫センターの業務改革

アパレル製品に取り付けられている「下げ札」。「値札」などの呼び名もありますが、「下げ札」の目的は消費者にブランドイメージを印象づけ、サイズや価格、色の情報、JANコード等の製品情報を表示する役割があるのですが、ご相談を受けた物流センターでは取り扱う全ての「下げ札」にRFIDの導入が完了した企業でした。

お客様の「下げ札」のRFIDにはJANコード情報が保存されており、このRFID情報を活用して入荷と出荷の業務改善を行いたいというプロジェクトのご依頼でした。

今までは製造元から物流倉庫へ製品が入荷されると、ダンボールの入り数に間違いが無いか製品をチェック。入り数チェックで「下げ札」を確認するために「開梱し製品数の確認・梱包」という業務を実施しており、「ハンディーターミナルでバーコードをスキャン」して確認を行ってました。

全ての製品の「下げ札」にRFIDの導入が完了した事で、ダンボールの外側からRFID対応のハンディーターミナルをかざすだけで入り数の確認が実現でき、そのため「開梱」と「梱包」の作業が不要となったお陰で、開梱して製品を一点ずつ点検していた作業も、一括で読み込み点検に作業形態が変更となりました。

今回はスマートフォンでの利用者も多いAndroidのOS製ハンディーターミナルを導入したのですが、利用者の操作に対する理解度と熟練度も早く、WindowCE機よりも処理スピード・メモリ容量が多いため、ストレスフリーでご利用を頂いています。

また入荷されるダンボールは単品とアソート品の商品構成があり、ハンディーターミナル側で単品の場合は単独JANコードと入り数、アソート品の場合は複数JANコードとそれぞれの入り数が表示されるので、箱に記載されている実際の入り数との確認を行いながら作業を進めることが可能です。※JANコードの製品マスターを導入すれば、色やサイズなどの情報もハンディーターミナルに表示が可能です。

なお出荷時は店舗情報を選択し出荷予定の箱を読み取ることで出荷数量の最終確認を行うのですが、この確認作業もRFID対応のハンディーターミナル導入で格段に作業スピード向上しました。

ちなみに入荷と出荷のバーコード運用時に500枚の「下げ札」を読み取りするのに60分の時間が必要でしたが、RFID運用に変更後は作業時間が5分12倍の作業効率化を達成することができました。

RFIDゲート導入で更なる業務効率化を推進

現在導入した機能はハンディーターミナルを使ったRFID入出荷システムですが、次のステップとして「RFIDゲート」を活用した入出荷システムの検討を頂いています。

「RFIDゲート」とは、ゲート部分にRFIDリーダーが搭載されており、ダンボールを通過させる事でダンボール内の情報を読み取ることが可能な機器です。

第一ステップとして費用を抑えた形で導入効果を把握したいという要望も多いため、まずはハンディーターミナルで小規模の環境で導入効果を確認していただき、第二ステップとして規模を拡大させて「RFIDゲート運用」の導入を行う予定です。

ハンディーターミナルではダンボールの上面や側面に近づけ箱内部の情報を読み取りますが、ゲートはダンボールを通過させるとゲート内に設置したRFIDリーダーがダンボール内のRFIDを読み取る運用となります。

そのため例えば台車に複数個のダンボールを積んだ状態でゲートを通過させる事も可能ですし、ベルトコンベアーとゲートを導入して、ダンボールを連続して流しながら、製品情報を読み取る運用も効果的です。

バーコードの一点読みからRFIDの一括読み込みで十分に効果が期待できますが、物量が多く効率化を更に進めたい場合や人件費の抑制をお考えの場合は、このようなゲートを使った運用方法の導入も可能です。

人材獲得が難しい状況だが運用品質は下げられないとお悩みの物流センターやアパレル物流部門の責任者の方。「下げ札」にRFIDが内蔵されている場合は、今回のシステム導入でバーコード運用時の10倍以上の作業の効率化が期待できます。

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