弊社ケーウェイズは自動認識技術の一つ「ICタグ(RFID)」を活用したシステムを中心にソリューション展開していますが、お客様より「金属対応ICタグ」のポイントや導入メリットについてご質問を受ける場合がございます。

今回はシステム導入時にご検討いただく「金属対応ICタグ」の特徴や製品紹介について、丸ごと!解説します。

金属専用ICタグのポイント

金属対応ICタグのポイント紹介
普通のICタグと金属対応ICタグは何が違うのでしょうか?名前からも分かる通り金属対応ICタグは金属製品に貼り付けても電波を飛ばして個体管理ができる点が大きく異なります。

金属に貼り付けて読取り可能

一般的なICタグは対象物が金属の場合、影響を受け電波を飛ばすことが出来ません。金属対応ICタグは特殊な設計のため金属面に貼り付けても読取りが可能です。

また金属の裏面に貼り付けて読取りが可能な製品もあります。

防水加工タイプの製品あり

対象物が金属製品ということもあり、屋外での利用を想定しているため雨などに強い防水仕様の製品も準備しています。

各サイズが異なる製品あり

対象物によっては取付け面積が確保できない場合もあり、極小タイプのタグやサイズが大きいタイプなども各種取り揃えています。

読取り距離を伸ばす製品あり

一部の特殊な金属対応ICタグは対象物の金属に貼り付けることで、対象物自身をアンテナとして利用。そのため電波の距離を伸ばし、読取り可能なエリアを広げる製品もあります。

特徴的な各種金属ICタグの紹介

一般的な金属対応ICタグのポイントを紹介した所で導入実績のある特徴的な弊社取扱い製品を製品別にご紹介したいと思います。

通信距離を伸ばせるPMTシリーズ

金属対応RFIDタグPMT-60Wシリーズ
PMT-06W」は、貼り付けることで金属面をアンテナとして利用し通信距離を伸ばすモデルです。塩化ビニール素材で本体を覆い防水仕様で屋外の利用実績があります。

貼付け面は強力な両面テープを採用。両面テープでは貼り付けに不安がある環境では「ビス止め」仕様のシリーズをご準備しています。

表面印刷可能なSilverlineシリーズ

金属対応RFIDタグSilverlineシリーズ
Silverline」の特徴として表面にバーコード情報や目視確認で必要な品番や日付、シリアル番号などの情報をラベルプリンターより印刷が可能なシリーズです。

主な用途として鋼板や金属製パレット類、サーバーやノートパソコンなどIT機器、金属容器など幅広いシチュエーションが期待されます。

対象物をアンテナ化するINDEX TAGシリーズ

金属対応RFIDタグINDEX TAGシリーズ
INDEX TAG」は他のICタグに比べ貼付け方法が特殊な製品となっています。

タグ自体は印字エリアを大きく確保しており、ラベルプリンターでの印刷が可能

印刷後は折り目よりICタグのアンテナ部分までラベルを曲げてアンテナを保護。アンテナより下のICチップ部分を対象物に貼り付けて利用します。

ICチップ部分を金属体に貼り付けることで、金属体を通じて通信が可能、表面は屋外耐候性フィルム採用で屋外利用が可能です。

屋外・防水・衝撃・耐熱どんと来いABSシリーズ

金属対応RFIDタグABSシリーズ
ABS8520」は数種類のサイズを取り揃えており、ABS樹脂やPC樹脂で保護しているハードタグとなっています。

長期間の屋外耐候性や樹脂被覆による防水性耐衝撃に優れており、ビス取付け以外に接地できるマグネット内蔵モデルや耐熱仕様の別モデルもご準備しています。

手のひら極小サイズで頼れるFR4シリーズ

金属対応RFIDタグFR4シリーズ
FR4」は極小サイズから大型タイプまでのラインナップを揃えています。

この製品群はガラスエポキシ基盤で構成されており、高い強度、耐薬品性、耐熱性にも優れたモデルとなっています。

極小モデルは工具などの個体管理が出来る仕様です。

各種タグの基本機能比較

ご紹介した各金属対応ICタグの基本的な特徴となります。
金属専用ICタグ比較資料

金属に関連する在庫管理の対象品

金属向けRFIDタグで管理できる金属製品例
紹介した金属専用ICタグですが、主に在庫管理製品トレースなどの目的に応じたシステムにて利用されています。

持ち出しが多い鍵の個数管理、平置きされた鋼材類の在庫管理、講堂や学校施設、レンタル品として扱うパイプ椅子の数量管理、台車や網カゴなど物流アイテムの移動箇所や在庫数の管理、多品種の工具の持ち出しと返却管理、プレス機や射出成形機などで利用する金型組合せや在庫管理で利用が期待できます。

タグ読取り機器とシステム導入の流れ

金属専用ICタグの読み取り機種ハンディ&卓上&ゲート式
対象物に取付けた金属ICタグは、どのような機器で情報を読み取るのでしょうか?

今回は三種類の機器について特徴を含めてご紹介したいと思います。

ハンディターミナル

QRコードなどバーコードを読み取る機器には専用機としてRFIDを読み取れる機種があります。

持ち運びに優れており機動力があるため、紛失した対象物の探索でも力を発揮します。

また読取り以外にRFIDのエンコード(書き込み)も可能。導入現場で配線などの設置準備が比較的少なく低コストで導入が可能です。

卓上式アンテナ

パソコン画面と連携して利用するため作業者の目視識別が確保され、ハンディ同様直接タグに書き込みが可能

特定範囲内での一括読込みに優れ、ゲート式より設置が簡単な上、低コストで導入が行えます。

ゲート式アンテナ

ハンディと卓上式に比べ読み取り範囲も広く、特定範囲内の大量製品の一括読取りに適しており、卓上式と同様パソコン画面との連携で目視識別を確保しています。

ゲート式はキャスター付き製品もありますが、ハンディターミナルに比べると機動力が低く、配線など現場設置の作業とコストが発生します。

金属タグの取付け例

金属対応ICタグ運用の取付け準備例
実際に対象物にタグを取り付ける際は、どのような金属タグが対象物に合致しているのか?製品特徴や利用環境などの状況を確認して導入タグを選別します。

金属タグの導入判断

判断例として屋内や屋外の利用、対象物を重ねて利用可否、防水や薬品、耐熱など利用環境の確認、衝撃や現場環境で剥がれる恐れの有無、対象物への貼り付け位置や対象面積、貼付け後の利用期間、想定する電波通信の距離などを弊社エンジニアの経験を含めて利用環境を判断し、対象となる金属タグを選別します。

金属タグのエンコードと取付け

選別が完了した金属ICタグは、ハンディターミナルやラベルプリンターなどを用いてエンコード(書き込み)準備を行います。

エンコードが終了した金属タグは対象物に取付けし実運用に移ります。

記事のまとめ

金属対応タグの紹介は如何でしたか?

金属タグといってもそれぞれ特徴があり、管理用途や対象物、現場環境などによって選択肢が多く、システム導入時に「どのようなタグで管理を実現するのか?」を併せて考える必要があります。

弊社はシステム開発だけではなく、豊富な現場導入の経験から利用可能なタグの選定もお客様にご提案しております。

タグ選定やシステム導入をご検討中の経営者様、現場責任者様、弊社ケーウェイズに丸ごとご相談ください。

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